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月別アーカイブ: 2025年6月

第12回シロアリ駆除雑学講座

皆さんこんにちは!

 

JAST株式会社、更新担当の中西です。

 

 

 

シロアリ対策工事の“鉄則”とは?~住宅を守るプロが現場で守るべき掟~

今回は、シロアリ対策工事の現場で職人たちが守っている“鉄則”を紹介します。

作業自体は見えにくい、地味、地中――しかしそのひとつひとつの判断が、住まいの寿命と信頼を左右する非常に重要なプロセスです。


■ 鉄則①:「安全第一」から始めよ

 

床下は湿気・狭所・暗所という三重苦の環境。だからこそ、まずは作業者自身の安全確保が最優先です。

  • 防塵マスク・手袋・ゴーグルの着用

  • 通気口・点検口の換気確認

  • 脱出口の確保と声かけ連携

「事故がないこと」こそがプロとしての大前提。新人指導にもまずは“安全から”が基本です。


■ 鉄則②:「徹底調査」なき処理は、無意味

 

薬剤を撒くだけ、ベイトを置くだけではシロアリ対策にはなりません。

  • 活動範囲の特定(蟻道・食痕の発見)

  • 湿気源(漏水・換気不良)の確認

  • 床下以外の被害(玄関框・浴室など)もチェック

この事前調査をどれだけ正確に行えるかが、処理の成否を分けます。


■ 鉄則③:「薬剤選定と施工量」は科学的に判断する

 

  • どの薬剤を使うか(有効成分・残効性・安全性)

  • 木部 or 土壌、どの範囲まで処理するか

  • 用量と希釈率の厳守(過剰処理は環境負荷)

この判断は**“慣れ”ではなく、技術資料と経験の両輪**によるもの。製品ラベルやSDS(安全データシート)の確認も欠かせません。


■ 鉄則④:「見える化」で信頼を得る

 

お客様からすれば、床下で何が行われたか分かりません。だからこそ、“可視化”による信頼構築が必須です。

  • 施工前・後の写真報告書

  • 使用薬剤と範囲の明記

  • 万が一の保証(5年保証など)の発行

「安心感=報告の丁寧さ」であると心得ましょう。


■ 鉄則⑤:「再発ゼロ」を目指す“+α”の対応

 

  • 湿気対策の提案(換気扇・調湿材など)

  • 被害木材の補修や強化提案

  • 定期点検契約の提案

“施工して終わり”ではなく、“守り続ける姿勢”が次の仕事につながります。


■ まとめ:「技術・誠実・観察眼」こそが現場の三種の神器

 

シロアリ対策工事の現場には、マニュアルには書ききれない判断や機転が求められます。だからこそ、技術だけでなく、誠実さ、観察力、説明力――“人間力”を含んだプロ意識がこの仕事の鉄則です。

床下の暗がりに、信頼の光を灯す仕事。
それが、シロアリ対策工事の真の価値なのです。

 

 

次回もお楽しみに!

第11回シロアリ駆除雑学講座

皆さんこんにちは!

 

JAST株式会社、更新担当の中西です。

 

 

 

シロアリ対策工事の“職人育成”とは?~技術と信頼を継ぐ現場力~

今回は、住宅を守る縁の下の力持ちとも言える「シロアリ対策工事」に焦点を当て、その技術を次世代にどう育成していくかについて深掘りします。


■ そもそも、シロアリ対策工事とは?

 

シロアリ対策工事は、住宅の土台・柱・床下などに発生するシロアリ(主にヤマトシロアリやイエシロアリ)による木材の食害を防止・駆除する専門工事です。

工法は主に2つ:

  • 予防工事:防蟻薬剤の塗布や散布、土壌処理

  • 駆除工事:食害部の補修、ベイト工法などの駆除処理

住宅性能に関わる重要な作業であるにもかかわらず、現場は狭くて湿気が多く、技術の習得に時間がかかることが多いのが現実です。


■ 職人不足と技術の“属人化”が課題

 

現在、シロアリ対策工事の現場では、以下のような育成課題が指摘されています:

  1. 職人の高齢化と若手不足

  2. 「見て覚える」文化が根強い

  3. 現場ごとのばらつきで技術が定着しにくい

こうした状況を変えるには、「再現性のある育成」「安全性と環境知識の教育」「現場感覚と理論の両立」が必要です。


■ 具体的な育成ステップと成功のポイント

 

● ステップ1:基礎座学と資格教育

 

  • シロアリの種類と生態

  • 木材腐朽・湿気・床下換気との関係

  • 薬剤の種類と安全使用法(防蟻・防腐剤の理解)

※例:しろあり防除施工士など、業界資格の取得をサポートする体制づくり


● ステップ2:現場でのOJT(On the Job Training)

 

  • 床下への潜り方と安全確保

  • 木部・土壌への薬剤処理の手順

  • ベイトステーションの設置位置とメンテナンス

この段階では、経験者との同行作業で技術を“身体で覚える”ことが大切。ここでの「見る力」「気づく力」が一人前になる第一歩です。


● ステップ3:マニュアル化・動画教材の活用

 

近年では、床下での処理手順を動画化し、後輩が何度でも確認できる環境整備が進んでいます。これにより、

  • 技術の均質化

  • 時間外学習のしやすさ

  • 新人の不安解消

といった効果が期待されています。


● ステップ4:「信頼される対応力」を育む

 

シロアリ対策は「ただ処理するだけの仕事」ではなく、**お客様の住宅と安心を守る“信頼商売”**です。

  • 報告書の書き方

  • お客様への説明トーク

  • アフターサポートの対応

これらの“対人スキル”もまた、育成の柱の一つです。


■ まとめ:技術と心を継ぐ育成が、次世代の柱になる

 

シロアリ対策工事は、目に見えない部分の仕事だからこそ、信頼と確実な技術が問われる仕事です。

「潜る職人から、支える技術者へ」

そんな育成意識を持つことで、業界の未来はもっと明るく、持続可能になっていくでしょう。

 

 

次回もお楽しみに!