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皆さんこんにちは!
JAST株式会社、更新担当の中西です。
~“義務化時代”に求められる測定📏🏠🚀~
前回はすきま風の時代から省エネ・断熱の流れが気密を必要とし、海外の測定技術が広まり、日本でC値が指標として語られるようになったところまでを追いました。
今回はその続き。
気密測定が「業」として確立していくには、道具や思想だけでなく、**測り方の共通ルール(規格)**と、**社会側の要請(制度・市場)**が不可欠です。ここからが、家屋気密測定業の“本格的な歴史”と言ってもいいかもしれません😊
気密測定は、測定条件や手順が違うと結果が変わりやすい分野です。
だからこそ重要なのが「同じルールで測る」こと。
日本では、**JIS A 2201:2003(送風機による住宅等の気密性能試験方法)**が制定され、平成15年(2003年)3月19日に制定されたことが示されています。
これは、業界にとって大きな意味を持ちました。
「この測り方なら信頼できる」という土台ができる
工務店・設計者・施主が、共通の前提で会話できる
測定業者としても、品質と説明責任を果たしやすくなる
“測定が仕事になる”ための社会的な裏付けになる📏
規格化は地味ですが、実は産業を育てる最重要ポイントです。
ここから、気密測定は「こだわり工務店の取り組み」から、少しずつ「品質管理の手段」として広がっていきます。
さらに時代が進むと、測定は国際的な整合も意識されます。
JIS A 2201:2017については、2015年に第3版として発行されたISO 9972を基に作成したことが説明されています。
つまり、気密測定は「国内の独自文化」ではなく、
国際的な建物性能評価の一部として成熟していくわけです。
これによって、海外の高性能住宅の考え方(パッシブハウス等)と、日本の測定実務がつながりやすくなり、測定業としての専門性も一段上がっていきます📈✨
この頃から、住宅市場で次のようなキーワードが一般化していきます。
高気密高断熱
計画換気(24時間換気)
結露対策(内部結露を避ける設計・施工)
快適性・健康(温度差の少ない住環境)
光熱費削減(燃料価格上昇も追い風)
断熱材・サッシ・換気設備が良くなるほど、気密の弱点が目立つようになります。
「良い断熱を入れたのに寒い」
「換気が計画通りに効かない」
「匂いが抜けない・逆流する」
「床下や小屋裏が想定外に冷える」
こうした症状は、気密が原因になっていることも少なくありません。
そこで気密測定は、完成後の“性能証明”だけでなく、施工途中で改善点を見つける“現場の武器”になっていきます🔧👀
中間測定で漏気箇所を探す
仕上げ前に是正して品質を上げる
完成測定で数値を記録し、施主へ説明する
社内の施工基準を磨き、再現性を高める
気密測定業者は、単なる測定屋ではなく、工務店の品質管理パートナーとして存在感を増していく時代です🤝✨
歴史の面白いところがここです。
各種解説では、2013年の改正(平成25年省エネ基準の流れ)で、国の省エネ基準からC値の扱いが薄くなった(削除された、と説明されることが多い)点が語られています。
「え、基準から消えたなら、測定は不要になるのでは?」
そう思う人もいるかもしれません。
ところが現場は逆でした。理由はシンプルで、高性能住宅ほど“気密ができていないリスク”が大きいからです。
断熱を高め、換気を計画し、冷暖房効率を上げる。
この設計意図を成立させるためには、気密が土台になります。
むしろ“数字で語られない時代”に入ったからこそ、意識の高い工務店ほど、第三者測定や全棟測定に力を入れる流れが強まりました📌
そして測定業者は、こうした現場ニーズに応える形で、
測定の精度、報告書の品質、漏気探索のノウハウ、現場コミュニケーション力を磨いていくことになります。
そして大きな節目が、2025年4月です。
国土交通省の資料では、2025年4月以降に着工する原則すべての住宅・建築物について省エネ基準適合が義務付けられることが明記されています。
ここで誤解しやすいポイントがあります。
省エネ基準の中心は、外皮性能(UA値など)や一次エネルギー消費量で評価されます。
気密(C値)は、国の義務基準の中心指標としては扱われにくい面があります。
それでも、現場で気密測定が重要になる理由は明確です。
省エネ性能を狙っても、漏気が多いと計画通りになりにくい
24時間換気は、気密が低いと給排気バランスが崩れやすい
室内の温熱環境(体感)のばらつきが増えやすい
断熱・防湿の設計意図が施工で崩れると、結露リスクが上がる
つまり、義務化で住宅性能の底上げが進めば進むほど、
「見えない品質」を確かめる検査としての気密測定の価値が上がっていくわけです📏✨
ここまでの歴史を振り返ると、気密測定業は常に「次の課題」を受けて進化してきました。
断熱が進めば、すきまが課題になる
換気が高度化すれば、気密が土台になる
省エネが義務化されれば、品質管理が厳しくなる
高性能住宅が一般化すれば、施工の再現性が問われる
気密測定業が担うのは、単にC値を出すことだけではありません。
「この家は、設計意図に近い品質で仕上がっている」
「どこを改善すれば、もっと性能が安定する」
それを**測定と説明で支える“住宅品質の証明役”**になっていくのだと思います😊🏠
家屋気密測定業の歴史は、
JIS A 2201の制定(2003年)
→ 国際規格との整合(2017年版はISO 9972がベース)
→ 高性能住宅の普及
→ 2013年前後の制度変化を超えて、現場ニーズが強まる
→ 2025年4月の省エネ基準適合義務化で品質管理が本格化
という流れで、確実に「社会に必要な仕事」へ成長してきました。
皆さんこんにちは!
JAST株式会社、更新担当の中西です。
~“すきま風の時代”~
「気密測定」と聞くと、最近の高性能住宅の話だと思われがちです。でも実は、家屋気密測定の歴史は、“暮らしの当たり前”が変わっていく歴史そのもの。寒さ・暑さ・結露・光熱費・健康・換気――それらの課題を一つずつ解きほぐす中で、「気密を測る」という仕事が必要不可欠になっていきました
今回は、家屋気密測定業がどう生まれ、どう広がり、どんな社会背景と結びついて成長してきたのかを、時代の流れに沿ってじっくり語ります✨
日本の伝統的な木造住宅は、四季の変化と湿気の多い気候に合わせて、ある意味で「風が通る」構造でした。縁側、障子、雨戸、土壁、床下の通気。夏をしのぎ、湿気を逃がす工夫が生活に馴染んでいたんです。
ただその裏側で、冬はどうだったかというと――
すきま風が入り、暖房しても熱が逃げ、部屋ごとの温度差が大きい。今ほど断熱材も性能の良いサッシも普及していない時代、寒さは“我慢するもの”として受け入れられていました️
この時代に「気密測定」という概念が根づかなかったのは当然で、そもそも“締め切って快適に暮らす”より、“風を通して暮らす”価値観が強かったからです。
ところが時代が進むにつれ、暮らし方が変わります。冷暖房が普及し、住宅の快適性への期待が高まり、エネルギーの使い方が社会課題になっていきます。住宅の断熱性能を上げる取り組みが進むと、次に問題になるのが「すきま」です。
断熱材を厚くしても、すきまが多ければ空気が出入りして熱が逃げる。さらに、壁の中に湿気を含んだ空気が入り込むと、内部結露のリスクも高まります。
つまり、断熱を真面目にやろうとすればするほど、気密が避けて通れなくなるんです。
ここで住宅業界は気づき始めます。
「気密は“感覚”ではなく、“測って確かめる”必要がある」✨
家屋気密測定でよく使われるのが、送風機で室内外に圧力差をつくり、漏れる空気量から建物のすきまを推定する方法です。いわゆる**ブロワードア(Blower Door)**の考え方ですね。
この技術は、1970年代後半にスウェーデンで“窓にファンを取り付ける”形で使われたのが初期の姿とされています。1977年にスウェーデンで用いられ、1979年には研究者の交流などを通じてアメリカでも研究が進んだ、という流れが紹介されています。
ここで大事なのは、「単に測る道具ができた」だけではなく、
建物の空気の漏れが、エネルギー損失や快適性に直結するという考え方が、研究によって強く裏付けられていったこと。測定が普及すると、施工の改善点(漏気箇所)が見える化され、品質向上が加速します✨
気密の重要性を世界的に広めた象徴的な存在が、パッシブハウスです。1980年代末から概念が形になり、1991年にはドイツ・ダルムシュタットで初期のパッシブハウスが建てられた、と紹介されています。
パッシブハウスでは、気密性能を50Pa時の漏気回数(ACH50)で0.6回以下といった厳しい基準で求め、現場での試験(圧力試験)で確認することが重視されます。
この「現場で測って合格する」という思想が、後の高性能住宅の品質管理に大きく影響しました。
日本でも高性能住宅の文脈で「海外では気密を測るのが当たり前」という話題が広がり、気密測定の価値が再認識されていきます
日本で気密を語るときに欠かせないのが、**C値(相当隙間面積)**です。これは建物全体のすきま面積を延床面積で割った指標で、「1㎡あたり何cm²のすきまがあるか」を示します。
そして1999年、いわゆる「次世代省エネルギー基準」の流れの中で、断熱性能(当時はQ値など)と並んで、気密性能の考え方が広く知られるようになっていきました。1999年の次世代省エネ基準で地域に応じたC値の目安(寒冷地で2.0、その他で5.0など)が語られていたことは、多くの解説で触れられています。
ここが大きな転換点です。
それまで“体感”で語られがちだった気密が、数値として比較され、目標として設定される世界に変わったんです✨
気密を目標に掲げても、図面だけでは本当の気密は分かりません。断熱のUA値のように計算で出せるものと違い、気密は施工品質がそのまま数値に出る。だからこそ「測る仕事」が必要になります。
現場ごとに施工精度が違う
大工さんの納まり、配線・配管の貫通部処理で差が出る
気密シート・気密テープの扱い、下地の状態で結果が変わる
施工途中で測れば、漏気箇所を補修できる(品質改善に直結)
こうして、工務店が自社で測定機を持つケースもあれば、第三者として測定を請け負う「家屋気密測定業」が成立していきました。測定が“検査”であると同時に、“品質を上げるためのフィードバック”になったからです✨
家屋気密測定業は、いきなり生まれた仕事ではありません。
すきま風が当たり前だった時代から、省エネ・断熱・結露対策が進み、海外の測定技術と思想(ブロワードア、パッシブハウス)が刺激になり、日本でもC値という指標が浸透して――ようやく“測定が価値になる”土壌が整ったんです。