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第11回シロアリ駆除雑学講座

皆さんこんにちは!

 

JAST株式会社、更新担当の中西です。

 

 

 

シロアリ対策工事の“職人育成”とは?~技術と信頼を継ぐ現場力~

今回は、住宅を守る縁の下の力持ちとも言える「シロアリ対策工事」に焦点を当て、その技術を次世代にどう育成していくかについて深掘りします。


■ そもそも、シロアリ対策工事とは?

 

シロアリ対策工事は、住宅の土台・柱・床下などに発生するシロアリ(主にヤマトシロアリやイエシロアリ)による木材の食害を防止・駆除する専門工事です。

工法は主に2つ:

  • 予防工事:防蟻薬剤の塗布や散布、土壌処理

  • 駆除工事:食害部の補修、ベイト工法などの駆除処理

住宅性能に関わる重要な作業であるにもかかわらず、現場は狭くて湿気が多く、技術の習得に時間がかかることが多いのが現実です。


■ 職人不足と技術の“属人化”が課題

 

現在、シロアリ対策工事の現場では、以下のような育成課題が指摘されています:

  1. 職人の高齢化と若手不足

  2. 「見て覚える」文化が根強い

  3. 現場ごとのばらつきで技術が定着しにくい

こうした状況を変えるには、「再現性のある育成」「安全性と環境知識の教育」「現場感覚と理論の両立」が必要です。


■ 具体的な育成ステップと成功のポイント

 

● ステップ1:基礎座学と資格教育

 

  • シロアリの種類と生態

  • 木材腐朽・湿気・床下換気との関係

  • 薬剤の種類と安全使用法(防蟻・防腐剤の理解)

※例:しろあり防除施工士など、業界資格の取得をサポートする体制づくり


● ステップ2:現場でのOJT(On the Job Training)

 

  • 床下への潜り方と安全確保

  • 木部・土壌への薬剤処理の手順

  • ベイトステーションの設置位置とメンテナンス

この段階では、経験者との同行作業で技術を“身体で覚える”ことが大切。ここでの「見る力」「気づく力」が一人前になる第一歩です。


● ステップ3:マニュアル化・動画教材の活用

 

近年では、床下での処理手順を動画化し、後輩が何度でも確認できる環境整備が進んでいます。これにより、

  • 技術の均質化

  • 時間外学習のしやすさ

  • 新人の不安解消

といった効果が期待されています。


● ステップ4:「信頼される対応力」を育む

 

シロアリ対策は「ただ処理するだけの仕事」ではなく、**お客様の住宅と安心を守る“信頼商売”**です。

  • 報告書の書き方

  • お客様への説明トーク

  • アフターサポートの対応

これらの“対人スキル”もまた、育成の柱の一つです。


■ まとめ:技術と心を継ぐ育成が、次世代の柱になる

 

シロアリ対策工事は、目に見えない部分の仕事だからこそ、信頼と確実な技術が問われる仕事です。

「潜る職人から、支える技術者へ」

そんな育成意識を持つことで、業界の未来はもっと明るく、持続可能になっていくでしょう。

 

 

次回もお楽しみに!