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第21回JAST雑学講座

皆さんこんにちは!

JAST株式会社、更新担当の中西です。

 

~“家の隙間はどれくらい?”~

 

 

近年、住宅性能の中で注目されているのが 「気密性能」
断熱だけが家の性能と思われがちですが、実は気密性能は快適性・省エネ・耐久性にとって欠かせない基準です。

今回は、
家屋気密測定のプロとして「なぜ気密測定が重要なのか」「どう測るのか」「C値とは何か」「どんな失敗が起こるか」 を、3000字以上でわかりやすく解説します🌿🏡✨


■ ◆ 気密測定とは?家の“隙間”を数値化する検査🌀

気密測定とは、
家の「隙間の総量」を測り、気密性能を数値で表す検査です。

隙間の大きさは C値(隙間相当面積) という指標で表します👇

  • C値 = 家全体の隙間の合計面積(cm²) ÷ 延床面積(m²)

例えれば…
🏡 一般的な家のC値が 1.0 の場合
→ 家全体の隙間が “名刺1枚分” ほどあると言われています。

隙間が小さいほど外気が入らず、
室内の空気が逃げにくくなります。


■ ◆ なぜ気密が必要なのか?その理由をプロ視点で解説🔥

気密性能が低いと、家はどうなるのか?


● ① 冷暖房が効かない💧

隙間から外気が入り、
エアコンで温めても冷やしてもすぐに逃げてしまう。

= 光熱費が高くなる⚡


● ② 結露が起こりやすくなる

外気が壁内に入り込むと、壁の中で結露が発生し、
カビ・腐朽の原因に。


● ③ 家の寿命が短くなる

柱・断熱材・下地材が湿気で傷むため、耐久性が低下。


● ④ 家の中の温度差が激しくなる

リビングは暖かいのに、
廊下・洗面室・トイレが寒い家になる。


● ⑤ 計画換気が正しく働かない

24時間換気が計画通りに機能せず、
空気循環が乱れてしまう。


つまり、気密は
「断熱性能」「換気」「耐久」「快適」「省エネ」すべてと直結する超重要ポイント」
なのです。


■ ◆ C値はどれくらいが良い?プロが現場で見ている基準📏

全国平均は C値=2.0〜5.0 と言われていますが、
最新の高性能住宅ではもっと厳しいラインを目指します👇

  • 🌟 C値 1.0以下 → 高気密住宅の最低ライン

  • 🌟 C値 0.5以下 → 高性能住宅

  • 🌟 C値 0.3以下 → 超高気密住宅(トップクラス)

私たち測定業者が現場で「お、この現場は上手い」と思うラインは👇
👉 0.5以下
👉 安定して0.3台が出る施工会社は技術力が高い


■ ◆ 気密測定の流れを“現場のリアル”として解説🔧📊

気密測定は以下の流れで行います。


● ① 測定器の設置(減圧法)🌀

専用の気密測定器を玄関や窓にセットし、家の中の空気を排出します。
すると外気が隙間から室内に入ってきます。

この空気流入量を測ることで、
家の隙間面積=C値を算出します。


● ② 室内の状態確認

  • 換気扇の停止

  • 給気口の密閉

  • 排水トラップの水を入れて密閉

  • 点検口の閉鎖

  • 開口部のチェック

測定条件を整えることが非常に重要です。


● ③ 減圧スタート

機械で室内の空気を引き出し、
一定の圧力差を作りながら隙間量を測定。


● ④ 結果の算出(C値の計算)

測定データに基づき、
C値を算出します。


● ⑤ 隙間の「特定作業」🔍

ここがプロの腕の見せどころ!

  • コンセント周り

  • サッシ

  • 配管まわり

  • 天井と壁の取り合い

  • 柱の継ぎ目

  • 換気ダクト周り

  • 床下点検口

  • 玄関ドアのパッキン

など、隙間の“音・風の感触・温度変化”などから位置を特定します。


● ⑥ 測定報告書を作成

C値だけでなく、

  • 圧力差

  • グラフ

  • 測定条件

  • 隙間の場所

  • 改善ポイント
    をまとめてお渡しします。


■ ◆ よくある施工ミスとC値が悪くなる原因⚠️


● ① 電気配線の穴が塞がれていない

特に天井裏は気密の穴だらけになりがち。


● ② サッシ周りの気密処理不足

スリット状の隙間が多く、C値を大きく悪化させます。


● ③ 換気ダクトの隙間

テープ処理が甘いと強烈な隙間に。


● ④ 玄関ドアのパッキン不良

ここだけで0.2〜0.3悪化することも。


● ⑤ 床下・壁の貫通部処理ミス

水道・ガス・電気配管の部分は“漏気の温床”。


気密は “数ミリの隙間” が全てを狂わせる世界です。


■ ◆ 気密測定は「家づくりの品質チェック」でもある📝✨

実は測定をすると、
施工会社の技術力が一目でわかります。

  • 隙間が少ない
    → 断熱材の施工も丁寧
    → 現場管理が良い
    → 職人の連携が取れている

  • C値が悪い
    → 現場の施工精度が甘い
    → 断熱施工も不安
    → 経年で問題が出る可能性

つまり気密測定は、
**家の“健康診断”であり、“施工レベルの証明”**です。


■ ◆ まとめ

気密測定は、家の快適性・省エネ性・耐久性を左右する重要な検査。

  • C値が改善されれば、家は見違えるほど快適になる

  • 施工精度の高さが如実に現れる

  • 測定は“家づくりの品質確保”に必須

気密を知れば、家の本質が見えてきます。