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第26回JAST雑学講座

皆さんこんにちは!

JAST株式会社、更新担当の中西です。

 

 

~“義務化時代”に求められる測定📏🏠🚀~

 

前回はすきま風の時代から省エネ・断熱の流れが気密を必要とし、海外の測定技術が広まり、日本でC値が指標として語られるようになったところまでを追いました。

今回はその続き。
気密測定が「業」として確立していくには、道具や思想だけでなく、**測り方の共通ルール(規格)**と、**社会側の要請(制度・市場)**が不可欠です。ここからが、家屋気密測定業の“本格的な歴史”と言ってもいいかもしれません😊


1. 2003年「JIS A 2201」で“測り方”が共通言語になった📘✅

気密測定は、測定条件や手順が違うと結果が変わりやすい分野です。
だからこそ重要なのが「同じルールで測る」こと。

日本では、**JIS A 2201:2003(送風機による住宅等の気密性能試験方法)**が制定され、平成15年(2003年)3月19日に制定されたことが示されています。

これは、業界にとって大きな意味を持ちました。

  • 「この測り方なら信頼できる」という土台ができる

  • 工務店・設計者・施主が、共通の前提で会話できる

  • 測定業者としても、品質と説明責任を果たしやすくなる

  • “測定が仕事になる”ための社会的な裏付けになる📏

規格化は地味ですが、実は産業を育てる最重要ポイントです。
ここから、気密測定は「こだわり工務店の取り組み」から、少しずつ「品質管理の手段」として広がっていきます。


2. 国際規格との整合でアップデート――2017年版はISO 9972がベース🌍🔄

さらに時代が進むと、測定は国際的な整合も意識されます。
JIS A 2201:2017については、2015年に第3版として発行されたISO 9972を基に作成したことが説明されています。

つまり、気密測定は「国内の独自文化」ではなく、
国際的な建物性能評価の一部として成熟していくわけです。

これによって、海外の高性能住宅の考え方(パッシブハウス等)と、日本の測定実務がつながりやすくなり、測定業としての専門性も一段上がっていきます📈✨


3. 2000年代〜2010年代:高性能住宅市場が測定を“標準装備”にした🏠✨

この頃から、住宅市場で次のようなキーワードが一般化していきます。

  • 高気密高断熱

  • 計画換気(24時間換気)

  • 結露対策(内部結露を避ける設計・施工)

  • 快適性・健康(温度差の少ない住環境)

  • 光熱費削減(燃料価格上昇も追い風)

断熱材・サッシ・換気設備が良くなるほど、気密の弱点が目立つようになります。
「良い断熱を入れたのに寒い」
「換気が計画通りに効かない」
「匂いが抜けない・逆流する」
「床下や小屋裏が想定外に冷える」
こうした症状は、気密が原因になっていることも少なくありません。

そこで気密測定は、完成後の“性能証明”だけでなく、施工途中で改善点を見つける“現場の武器”になっていきます🔧👀

  • 中間測定で漏気箇所を探す

  • 仕上げ前に是正して品質を上げる

  • 完成測定で数値を記録し、施主へ説明する

  • 社内の施工基準を磨き、再現性を高める

気密測定業者は、単なる測定屋ではなく、工務店の品質管理パートナーとして存在感を増していく時代です🤝✨


4. 2013年前後:省エネ基準からC値が“消えた”のに、測定はむしろ重要になった🌀📏

歴史の面白いところがここです。
各種解説では、2013年の改正(平成25年省エネ基準の流れ)で、国の省エネ基準からC値の扱いが薄くなった(削除された、と説明されることが多い)点が語られています。

「え、基準から消えたなら、測定は不要になるのでは?」
そう思う人もいるかもしれません。

ところが現場は逆でした。理由はシンプルで、高性能住宅ほど“気密ができていないリスク”が大きいからです。

断熱を高め、換気を計画し、冷暖房効率を上げる。
この設計意図を成立させるためには、気密が土台になります。
むしろ“数字で語られない時代”に入ったからこそ、意識の高い工務店ほど、第三者測定や全棟測定に力を入れる流れが強まりました📌

そして測定業者は、こうした現場ニーズに応える形で、
測定の精度、報告書の品質、漏気探索のノウハウ、現場コミュニケーション力を磨いていくことになります。


5. 2020年代:測定は「性能競争」から「社会要請」へ。2025年4月の義務化が追い風📣🏠

そして大きな節目が、2025年4月です。
国土交通省の資料では、2025年4月以降に着工する原則すべての住宅・建築物について省エネ基準適合が義務付けられることが明記されています。

ここで誤解しやすいポイントがあります。
省エネ基準の中心は、外皮性能(UA値など)や一次エネルギー消費量で評価されます。
気密(C値)は、国の義務基準の中心指標としては扱われにくい面があります。

それでも、現場で気密測定が重要になる理由は明確です。

  • 省エネ性能を狙っても、漏気が多いと計画通りになりにくい

  • 24時間換気は、気密が低いと給排気バランスが崩れやすい

  • 室内の温熱環境(体感)のばらつきが増えやすい

  • 断熱・防湿の設計意図が施工で崩れると、結露リスクが上がる

つまり、義務化で住宅性能の底上げが進めば進むほど、
「見えない品質」を確かめる検査としての気密測定の価値が上がっていくわけです📏✨


6. 家屋気密測定業は、これから“品質の証明業”になっていく🧾🔍

ここまでの歴史を振り返ると、気密測定業は常に「次の課題」を受けて進化してきました。

  • 断熱が進めば、すきまが課題になる

  • 換気が高度化すれば、気密が土台になる

  • 省エネが義務化されれば、品質管理が厳しくなる

  • 高性能住宅が一般化すれば、施工の再現性が問われる

気密測定業が担うのは、単にC値を出すことだけではありません。
「この家は、設計意図に近い品質で仕上がっている」
「どこを改善すれば、もっと性能が安定する」
それを**測定と説明で支える“住宅品質の証明役”**になっていくのだと思います😊🏠


規格化と制度の波が、気密測定業を“必要な仕事”にした📏🚀

家屋気密測定業の歴史は、
JIS A 2201の制定(2003年)
→ 国際規格との整合(2017年版はISO 9972がベース)
→ 高性能住宅の普及
→ 2013年前後の制度変化を超えて、現場ニーズが強まる
→ 2025年4月の省エネ基準適合義務化で品質管理が本格化
という流れで、確実に「社会に必要な仕事」へ成長してきました。